• 初めてのフリーランス-支払準備

  • 初めて顧客から1ヶ月分の稼働に対して得た売上に対して各種支払の準備をする必要性があります。

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初めてのフリーランス-支払準備

初めてフリーランスになられた方が、1ヶ月間切磋琢磨した結果として初めての入金を確認したときにサラリーマンからお金が倍またはそれ以上になったと嬉しいものですよね。

ここで大切な事は、サラリーマン時代の給料所得は、控除されるものが予め引かれた額が入金されています。

サラリーマン時代の給与明細をご確認して下さい。明細に基本給、時間外手当、通勤手当、各種手当などの支給額に対して、健康保険料、介護保険料、雇用保険料、厚生年金保険料、所得税、住民税の控除額が明示されています。

給料の場合には、支給額から控除額を差し引かれた金額が実際の入金額(手取額)となります。

フリーランス(個人事業主)の場合には、法的に支払義務のあるものを控除する前に額の大きさに喜んでしまう事に気を付けたいです。

月額の売上が入金されたときには、その売上に対してかかる支払義務のある国民健康保険料、介護保険料、国民年金保険料、所得税、住民税、個人事業税の支払準備をしなければなりません。

これらの法的支払義務のある明細を控除して初めて自分の手取の報酬と言えます。

国民健康保険料

私たちは普段健康でも、いつ、どこで病気やケガをするかわかりません。安心して医療が受けられるように、日ごろからみなさんの収入に応じてお金を出し合い、病気などの治療の費用にあてるというのが医療保険の制度です。

国民健康保険には、その支払に対する対価として数多くのメリットも存在します。

  • 医療費の3割負担(70歳未満) - 医療機関に掛かったときに保険証を提示することで、医療費の3割負担で済む。
  • 健康診断の無料診察 - 地方自治体の国民健康保険のHPをご確認下さい。
  • 限度額適用認定証 - 入院や外来診療などで医療費の一部負担額が高額になったときに、限度額適用認定証(限度額適用・標準負担額減額認定証)を提示すると、1か月間に1つの医療機関(入院・外来は別、歯科は別)の窓口で支払う医療費が自己負担限度額までとなります。
  • その他各種制度 - 地方自治体の国民健康保険のHPをご覧ください。
  • 所得税の社会保険料控除 - 支払った国民健康保険料は、所得税計算時に社会保険料控除として所得から控除されます。

健康保険は掛け捨て型の保険と言えます。健康管理を怠らず医療機関にもさほどかからず1年間を健康に過ごせた方にとっては、年間を通して何十万の出費は馬鹿らしく思えてきます。 ただし、健康保険の真意は、健康の時には思いもよらなかった病気、けがに備えている制度と言えます。更に、この一見無駄にみえる健康保険料が日本国内の医療機関を必要とする他の方々を救っているという事実を忘れないで下さい。

新宿区を例に具体的な計算について、求めてみましょう。

新宿区HPより「30年度 国民健康保険料試算シート(EXCEL形式) [EXCEL形式:354KB]」があります。

国民健康保険料は、課税所得に対して所得に応じた保険料率が決められています。 課税所得とは、収入(実際に顧客から入金された入金額)から必要経費を差し引いた額となります。

月額が60万円(税込み)、月の経費が10万円の場合には課税所得は50万円、貴方の年齢が介護保険料の発生しない35歳とした場合には、国民健康保険料は49,327円となります。

凡そ課税所得の10%を国民健康保険料として納付する必要があるという事が分かります。

国民健康保険料は、地方自治体より「納付書」が送られて役所、銀行、郵便局、コンビニで支払う方法と口座振替があります。

いずれにせよ、入金があった時点で常に10%の金額は自分のお金ではなく国民健康保険料として支払うお金として認識していれば問題ないでしょう。

国民年金保険料

国民年金とは、「国民年金法」で定めれられた公的年金であり、20歳以上の成人の方全てに義務付けられている制度です。

国民年金に加入しているメリットとは以下となります。

  • 国民年金を納め続けると65歳以上(H30年時点)になると「老齢基礎年金」が受け取れるようになります。
  • 病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合(障害)に、「障害基礎年金」が受け取れるようになります。
  • 被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したときに配偶者に対して「遺族基礎年金」受け取れるようになります。
  • その他の給付 - 日本年金機構のHPをご確認下さい。

2016年厚生労働省発表の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳です。現役時代を65歳として捉えた場合に凡そ15年間以上最低でも「老齢基礎年金」が受け取れることは大きな事です。

まず必要最低限の国民年金保険料は、国民年金第1号被保険者及び任意加入被保険者の1カ月当たりの保険料は16,340円です(平成30年)

更に年金額を増やしたい方は、更に「国民年金基金制度」を利用することでサラリーマンの厚生年金のように掛金を増やす事で老後の年金を充実させることが可能です。

国民年金保険料及び国民年金基金制度の掛金ともに課税所得計算時の控除対象となります。

また国民年金保険料は、前納することでいくらか安くなる国民年金前納割引制度があります。

国民年金保険料も他の控除すべきお金と同様に先手必勝(先に納めて未納を無くす)事が大切です。

住民税

特別区民税と都民税を合わせて、一般的に「住民税」といいます。

住民税とは、所得税の確定申告後にその申告した所得を元に一定の料率で市区町村から課税される税金のことです。

住民税の大まかな計算は、(売上 - 必要経費 - 社会保険料 - 課税所得控除額)×10%になります。
住民税の自動計算サイトなどを利用すると正確な数字が算出できます。

例えば月額の売上が60万円(税込み)が12ヶ月あり、月の経費の平均が10万円/月の場合には、
国民健康保険料は49,327円/月、国民年金保険料16,340円/月が社会保険控除となり他の控除が無ければ、 50万円/月×12ヶ月 - (49,327円/月 + 16,340円/月)×12ヶ月が住民税算出に必要な課税対象所得4,881,000円に対する住民税額は合計で東京都民税が195,700円/年 新宿区の場合に区民税294,800円/年 計490,500円/年となります。

月額換算でも40,875円と支払準備をきちんとしなければ払えない馬鹿にならない金額です。

売上60万円(経費10万円)に対して凡そ7%を住民税の支払い準備として充てる必要があります。

所得税

所得税とは、収入から所得控除を引いた金額に対して、一定の税率で課される税金です。 サラリーマン時代の場合には、会社が「源泉徴収」として給料から事前に「所得税」が控除されています。 個人事業主の場合には、確定申告を行う場合と同様に毎年3月15日までお住まいの市区町村の税務署に納付します。

所得税の計算の方法は、(収入 - 必要経費 - 社会保険料などの所得控除)[=課税所得金額] ×税率 - 課税控除額 です。

月額の収入が60万円(税込み)、月の経費の平均が10万円/月、国民健康保険料は49,327円/月、国民年金保険料16,340円/月の場合には, 課税所得金額が5,211,996円となり税率は課税所得金額が330万円を超え 695万円以下に該当し、20%となります。 そして、課税控除額は427,500円となります。計算すると5,211,996×20%[=104,2399円] - 427,500円 = 614,899円となります。

月額に換算すると51,241円となります。(60万円/月,経費10万円/月,社会保険控除65,667円とした場合)

月額の収入に対して10%前後は無条件に所得税として換算した方が良いでしょう。

この納税額は、毎月確り所得税として管理しなければ突然3月15日に427,500円の大金を準備しなければなりません。

更に2013年から2037年までの各年分の確定申告においては、所得税に加えて「復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)」をあわせて納付する必要があります。

個人事業税

個人事業税とは、個人の方が営む事業のうち、地方税法等で決められた事業(法定業種)に対してかかる税金です。現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。

個人事業税の計算は 個人事業税=(所得〔収入-必要経費〕-各種控除-事業主控除290万円)×税率です。

月額の収入が60万円(税込み)、月の経費の平均が10万円/月、国民健康保険料は49,327円/月、国民年金保険料16,340円/月の場合には、 課税所得金額が(5,211,996円-2,900,000円)×5% = 115,599円/年

個人事業税は8月と11月に納付します。確定申告を出していれば、8月に都道府県税事務所から納税通知書が送られてきます。この納税通知書に、第一期分(8月分)と第二期分(11月分)が入っています。

月額換算にしても収入60万円/月、経費10万円/月の場合でも1万円/月を個人事業税の支払準備として用意する必要があります。

纏め

月の売上が60万円/月、経費10万円/月で概算した場合でも以下の支払準備金が必要な事が分かります。

  • 国民健康保険料 - 凡そ売上の10%で49,327円/月
  • 国民年金保険料 - 16,340円/月
  • 住民税 - 凡そ売上の7%で40,875円/月
  • 所得税 - 凡そ売上の10%で51,241円/月
  • 個人事業税 - 凡そ10,000円/月

合計金額167,783円/月を無条件に社会保険料、各種税金の支払いに準備する必要があります。

すると、月額の経費が10万円あったとしても自分及び家族のために自由に使えるお金は、凡そ330,000円/月しか無い事を認識することが最重要な事です。

初めてフリーランスになられた方が確定申告の時に慌てないためには、毎月の収入に対して支払義務のあるお金を支払準備金として一切自分が使う事ができないお金として管理及び支払を先に済ませる事が重要です。